2017 年 4 月 5 日

内羽根

こんにちは
靴スタッフ北村です。

今月から毎週水曜に靴フロアのブログを定期的にアップしていくことになりました。頑張りますのでよろしくお願いいたします。

今回も前回に引き続きPOSCで作られている靴のデザイン紹介です。
第2回目は内羽根です。

 

 

 

甲より前の部分に、鳩目のあるパーツ(羽根)が潜り込んでいる状態の紐靴を、こう称します。

こちらのルーツは、イギリスの王室にあります。ヴィクトリア女王の夫君であるアルバート公が、1853年にこのスタイルでミドルブーツを考案したのがはじまり、と言われています。
羽根の部分が全開しないので、外羽根の紐靴に比べるとフィット感の調節にはやや難がありますが、見た目の清楚さから、主にフォーマルユースや室内執務用の靴として普及してゆきました。
アルバート公が好んで過したスコットランドの王室御用邸にちなんで、この形状の靴はイギリスやアメリカではバルモラル(Balmoral)と言います。特に短靴の場合は、そちらの起源にちなみオックスフォード(Oxford)と呼ばれる場合も多いです。またフランスでは、なぜかルイ王政期の宰相であるリシュリュー(Rechelieu)、イタリアでは「フランスのおじょうさん」の意味になるフランチェジーナ(Francesina)と呼ばれ、外羽根式に比べ国別の言い方はバラバラです。

内羽根はこうしたルーツから、どちらかと言えばフォーマルな場面に向いているといえます。冠婚葬祭や、会社の式典など、、、スッキリと見える内羽根式の靴の方が、見た目にも品格が出てきます。
私も社会人になるときに周りの大人の方から「とりあえず内羽根の黒ストレートチップは持っとけ」と言われたものです。

POSCではお客様のご希望がありましたら、外は定番の黒で、でも内側は個性を出したいのでで!なんていうオーダーもお応えしていますので、色々とご相談いただけたらと思います。